誰もが友達を持っていると思いますが、「友達」といってもいろいろな関係があるでしょう。お互いに理解し合う人であったり、助け合う人であったり、自分の話が通じる人であったり、同じグループの仲間であったり、親しみを感じる人であったり……聖書には「友…
家族や仕事が自分の命を支えてくれる大切なものと思っている青年も、恋人ができれば、それまでの家族や仕事よりも恋人が大切になります。私達は誰のために、何のために生きているのでしょうか? 今日の福音に出てくる4人の青年はみな漁師でしたが、仕事の道…
神様は、私達人間の常識とは全く違うまなざしで、この世界を見ています。普通、献金の額は多ければ多いほどいいはずですが、イエス様はレプトン銅貨2枚というほんのわずかな献金を喜びました。レプトン銅貨2枚は、今の日本円にすると100円ちょっとです…
困っている人、助けを求めている人がいたら、自分の手を差しのべて何とかして助けてあげたいと思うことがあります。しかし、自分では助けているつもりが、その人にとっては邪魔になったり妨げになったりすることもあります。他者を助けたり手伝ったりするに…
天の御父が日々造り出している素晴らしいこの世界を、私達人間はすぐに崩壊するバベルの塔に変えてしまおうとしています。神と心を合わせて生きることよりも、利益や自分が得することを求め、自分勝手に行動してしまう私達の現実があるのです。つねに自分中…
社会全体が高齢化し、家族や自分のお墓について心配する人が増えているようです。葬儀やお墓について心配しなくても大丈夫です、と私はみなさんに言いたいです。神様から永遠の命をいただいていることを考えれば、死は一つの通過点に過ぎません。私達が信じ…
背中が深く曲った小さいおばあさんが、畑でうつむいて一生懸命に農作業をしている姿を、日本に来てから何度か見たことがあります。家族の命を支えるために、女性が自分の体や時間を犠牲にしていることを感じます。昔も今も、社会や家庭の中で負担が大きいの…
私が神父になって一年目のことです。一生懸命働いて建てたばかりの立派な家で暮らし始めたのに、最初の夜を過ごしただけで次の朝は死んでいた方の葬儀をすることになりました。私にとって、イエス様のたとえ話が現実となったと感じた時でした。 自分や家族の…
以前、日本語で「外人」という言葉は失礼にあたるので、かわりに「外国人」を使うようと言われました。でもよく考えてみると、どちらにしても「外の人」という意味では同じなのではないでしょうか。 私達はみな神の前に同じ人間であるはずなのに「外の人」を…
ルカによる福音書10・27〜30 かつて私達の住む地球が宇宙の中心とされ、太陽やその他の天体は地球の周りを回っていると考えられていました。コペルニクスやガリレオが地動説をとなえ、それが科学的に正しいことが証明されましたが、私達人間の自己中心的な考…
高い山に登る時は、一番遅い人のペースに合わせて登るのが普通です。山登りではそれができるのに、私達の社会ではなぜそれができないのでしょうか。競争社会の中で一番になることばかりを目指せば、他の人を下に見て蹴落とすことにつながってしまうでしょう。…
ヨナはニネベの人たちに神の言葉を告げ、ニネベの人たちを回心に導きました。しかしヨナ自身は回心できたでしょうか。 自分が正しい人間だと思い込んでいる人は、なかなか回心することができません。「ヨナ」はヘブライ語で「鳩」の意味です。自分自身を鳩の…
人間が神と出会うきっかけとなったのは、天と地を結ぶものとしてはじめてかけられたヤコブのはしごでした。福音という新たな命によって、そのはしごを強く確かなものとしたのはイエスの十字架です。 イエスの十字架は、ヤコブだけではなくすべての人を救い、…
目の前のひとりだけではなく、すべての人の救いを願うイエス様は、右手の萎えた人をいやすのと同時に、自分に反感を持つ律法学者やファリサイ派の人たちを凝り固まった考えから解放しようとされました。神様が私達に対して本当に望んでいるのは、おきてとし…
「私の話を本当に聞きたいと思っていますか? あなたが心から聞きたいと思うなら、 私はあなたのために心から話をするでしょう。 あなたが心から聞くのであれば、 あなたのためになることを何でもすべて 私は心から話をするでしょう。 しかし私があなたの耳…
A年主の降誕(夜半) ルカによる福音書2:1~14つねに上へ上へと向かおうとする人間の上昇志向をすべて引っくり返すというのが、クリスマスの本当の意味です。神様御自身が、ひとりの人間となって地上に降りてきてくださったということだからです。 クリスマス…
C年年間第33主日 ルカによる福音書21:5~19神様が望んでいる世界が来る時、私たちが当たり前だと思っているこれまでの生活や生き方、常識などはすべて滅びてしまうのです。 今日の福音は理解するのが難しく、朗読を聞いてすぐに「ああそうか、わかった」と感…
C年年間第25主日 ルカによる福音書16:1~13一時的な利益や目の前の物事だけではなく、将来のこと、肉体の死の後のこと、そして永遠に目を向けて、考える必要があります。 今日の福音朗読は、私たちの生活を支えているお金や財産をどのように使うべきかという…
C年年間第24主日 ルカによる福音書15:1~10人々を高みへ引き上げるというよりも、神様を人々のもとに連れてきて、ひとりひとりが神様を受け入れられるようにするという方法をとったのがイエス様です。 今日の福音朗読は、「ルカによる福音書」15章に記されて…
C年年間第23主日 ルカによる福音書14:25〜33選択の基準は、この世の人間関係とはかかわりなく、すでに決まっています。イエス様が教えてくださった神の御旨、福音の価値観がその中心にないといけないということです。 今日、バチカンでマザー・テレサの列聖…
C年年間第22主日 ルカによる福音書14:1、7~14すべての人が同じように、命の宴のよろこびにあずかるべきなのです。 「ルカによる福音書」の中で、イエス様は3回、ファリサイ派の人の家に招かれて食事をしていますが、意見が合わずに3回とも対立することにな…
C年年間第21主日 ルカによる福音書13:22〜30大切なイエス様に本気で出会おうとするならば、主人が戸を閉めてしまってから遅れてくるということがあるはずがないのです。 四つの福音書の中で、「ルカによる福音書」は、もっとも喜びにあふれ、神のやさしさと…
C年年間第20主日 ルカによる福音書12章49〜53節聖霊を伝えようとすれば、世の中から大きな圧力や迫害を受けることが避けられないのです。「ルカによる福音書」の中には、他の福音書と比べて「平和」という言葉がたくさん出てきます。2章の「イエスの誕生」…
C年年間第19主日 ルカによる福音書12:32〜48私たちが「全能永遠の神」「いと高き神」としてほめたたえている神は、実際にはしもべのように、私たちひとりひとりの人生を支えてくださっているのです。 今日の福音朗読は長いですが、ポイントは四つです。順に…
C年年間第18主日 ルカによる福音書12:13〜21 自分がすでに与えられている物に対し、感謝して喜ぶことができないこの金持ちのことを、神は「馬鹿者」と言っているのです。 今日の福音は、私たちがふだん考えている「お金持ちになりたい」「財産を増やしたい」…