いのちのいずみ Ⅱ 〈月曜日の福音〉

イエス・キリストの福音を伝えます

年間第26月曜日(2020.9.28.)「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」

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高い山に登る時は、一番遅い人のペースに合わせて登るのが普通です。山登りではそれができるのに、私達の社会ではなぜそれができないのでしょうか。競争社会の中で一番になることばかりを目指せば、他の人を下に見て蹴落とすことにつながってしまうでしょう。

 「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である」と言ったイエス様は、「だれがいちばん偉いだろうか」と議論していた弟子たちとはまったく違うまなざしで世界を見ていました。ベツレヘムのエッサイには8人の子どもがいましたが、その中で王として選ばれ油を注がれたのは、長男ではなく末っ子のダビデです。聖書を読めば、神様が選ぶのは一番すぐれた人ではないということがわかるでしょう。普通に考えたらふさわしくないと思われる人を、神様は選ぶのです。

 神の国では、誰も末席にすわることはできません。末席には、すでにイエス様がすわっているからです。今日の福音では「一人の子供」と書かれていますが、イエス様が大切にしたのは子供だけではなく、病人や障害者、女性、ホームレス、外国人、高齢者、失業者、貧しい人、一人で子育てをしている人、差別されている人など、力を持たず弱い立場に立たされているすべての人たちです。

  神様の価値観は、この世の価値観とは違うのです。

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ルカによる福音9:4650

そのとき、弟子たちの間で、自分たちのうちだれがいちばん偉いかという議論が起きた。イエスは彼らの心の内を見抜き、一人の子供の手を取り、御自分のそばに立たせて、言われた。「わたしの名のためにこの子供を受け入れる者は、わたしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は、わたしをお遣わしになった方を受け入れるのである。あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」

 そこで、ヨハネが言った。「先生、お名前を使って悪霊を追い出している者を見ましたが、わたしたちと一緒にあなたに従わないので、やめさせようとしました。」イエスは言われた。「やめさせてはならない。あなたがたに逆らわない者は、あなたがたの味方なのである。」