いのちのいずみ Ⅱ 〈月曜日の福音〉

イエス・キリストの福音を伝えます

年間第34月曜日(2020.11.23.)「この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた」

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 神様は、私達人間の常識とは全く違うまなざしで、この世界を見ています。普通、献金の額は多ければ多いほどいいはずですが、イエス様はレプトン銅貨2枚というほんのわずかな献金を喜びました。レプトン銅貨2枚は、今の日本円にすると100円ちょっとです。私達はまず献金の額に目が行きますが、イエス様は貧しいやもめがどのような心でお金を賽銭箱に入れたかということだけを見ていました。福音はつねに、私達の価値観をひっくり返します。

 もしかしたら、お金の価値を理解していない幼い子どもたちは、イエス様と同じ価値観をもつことができるかもしれません。子どもたちはしばしば本能的に、目に見えない命やそこにこめられた心を大切にすることがあるからです。

 私達が地上で所有する物はすべて天の御父からいただいたものであり、やもめは感謝してすべてを神様にささげます。それはとても少ない金額でしたが、自分に必要な生活費だったからこそ、価値があります。有り余る財産の中からほんの少しを出しても、神は喜ばないでしょう。ささげる人の心だけが本当のささげものであり、そこに感謝の心がなければ献金をしても意味がないといえます。

 お金の背景にどのような人間の生活や心があるのか、私達人間にはなかなかわかりません。しかし、イエス様はその人の生活や心を見つめ、心にとめ、すべてをわかっています。イエス様の弟子である私達は、同じような価値観を持つようにつとめているでしょうか。深く考えずに世間的なお金の使い方をしている私達は、この福音をまだ本当に理解できていないのかもしれません。

 

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 ルカによる福音書21・1~4

 そのとき、イエスは目を上げて、金持ちたちが賽銭箱に献金を入れるのを見ておられた。そして、ある貧しいやもめがレプトン銅貨二枚を入れるのを見て、言われた。「確かに言っておくが、この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた。あの金持ちたちは皆、有り余る中から献金したが、この人は、乏しい中から持っている生活費を全部入れたからである。」