いのちのいずみ Ⅱ 〈月曜日の福音〉

イエス・キリストの福音を伝えます

2020-01-01から1年間の記事一覧

待降節第2月曜日(2020.12.7.)「屋根に上って瓦をはがし、人々の真ん中のイエスの前に、病人を床ごとつり降ろした。」

誰もが友達を持っていると思いますが、「友達」といってもいろいろな関係があるでしょう。お互いに理解し合う人であったり、助け合う人であったり、自分の話が通じる人であったり、同じグループの仲間であったり、親しみを感じる人であったり……聖書には「友…

聖アンデレ使徒〈祝〉(2020.11.30.)「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」

家族や仕事が自分の命を支えてくれる大切なものと思っている青年も、恋人ができれば、それまでの家族や仕事よりも恋人が大切になります。私達は誰のために、何のために生きているのでしょうか? 今日の福音に出てくる4人の青年はみな漁師でしたが、仕事の道…

年間第34月曜日(2020.11.23.)「この貧しいやもめは、だれよりもたくさん入れた」

神様は、私達人間の常識とは全く違うまなざしで、この世界を見ています。普通、献金の額は多ければ多いほどいいはずですが、イエス様はレプトン銅貨2枚というほんのわずかな献金を喜びました。レプトン銅貨2枚は、今の日本円にすると100円ちょっとです…

年間第33月曜日(2020.11.16.)「主よ、目が見えるようになりたいのです」

困っている人、助けを求めている人がいたら、自分の手を差しのべて何とかして助けてあげたいと思うことがあります。しかし、自分では助けているつもりが、その人にとっては邪魔になったり妨げになったりすることもあります。他者を助けたり手伝ったりするに…

ラテラン教会の献堂(祝)(2020.11.8.)「わたしの父の家を商売の家としてはならない。」

天の御父が日々造り出している素晴らしいこの世界を、私達人間はすぐに崩壊するバベルの塔に変えてしまおうとしています。神と心を合わせて生きることよりも、利益や自分が得することを求め、自分勝手に行動してしまう私達の現実があるのです。つねに自分中…

死者の日(2020.11.1.)「わたしのもとに来る人を、わたしは決して追い出さない」

社会全体が高齢化し、家族や自分のお墓について心配する人が増えているようです。葬儀やお墓について心配しなくても大丈夫です、と私はみなさんに言いたいです。神様から永遠の命をいただいていることを考えれば、死は一つの通過点に過ぎません。私達が信じ…

年間第29月曜日(2020.10.26)「女は、たちどころに腰がまっすぐになり、神を賛美した」

背中が深く曲った小さいおばあさんが、畑でうつむいて一生懸命に農作業をしている姿を、日本に来てから何度か見たことがあります。家族の命を支えるために、女性が自分の体や時間を犠牲にしていることを感じます。昔も今も、社会や家庭の中で負担が大きいの…

年間第29月曜日(2020.10.19)「どんな貪欲にも注意を払い、用心しなさい。有り余るほど物を持っていても、人の命は財産によってどうすることもできないからである。」

私が神父になって一年目のことです。一生懸命働いて建てたばかりの立派な家で暮らし始めたのに、最初の夜を過ごしただけで次の朝は死んでいた方の葬儀をすることになりました。私にとって、イエス様のたとえ話が現実となったと感じた時でした。 自分や家族の…

年間第28月曜日(2020.10.12)「ヨナがニネベの人々に対してしるしとなったように、人の子も今の時代の者たちに対してしるしとなる。

以前、日本語で「外人」という言葉は失礼にあたるので、かわりに「外国人」を使うようと言われました。でもよく考えてみると、どちらにしても「外の人」という意味では同じなのではないでしょうか。 私達はみな神の前に同じ人間であるはずなのに「外の人」を…

年間第27月曜日(2020.10.5)「行って、あなたも同じようにしなさい。」

ルカによる福音書10・27〜30 かつて私達の住む地球が宇宙の中心とされ、太陽やその他の天体は地球の周りを回っていると考えられていました。コペルニクスやガリレオが地動説をとなえ、それが科学的に正しいことが証明されましたが、私達人間の自己中心的な考…

年間第26月曜日(2020.9.28.)「あなたがた皆の中で最も小さい者こそ、最も偉い者である。」

高い山に登る時は、一番遅い人のペースに合わせて登るのが普通です。山登りではそれができるのに、私達の社会ではなぜそれができないのでしょうか。競争社会の中で一番になることばかりを目指せば、他の人を下に見て蹴落とすことにつながってしまうでしょう。…

聖マタイ福音記者(祝)(2020.9.21.)「わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」

ヨナはニネベの人たちに神の言葉を告げ、ニネベの人たちを回心に導きました。しかしヨナ自身は回心できたでしょうか。 自分が正しい人間だと思い込んでいる人は、なかなか回心することができません。「ヨナ」はヘブライ語で「鳩」の意味です。自分自身を鳩の…

十字架称賛(2020.9.14.)「神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである」

人間が神と出会うきっかけとなったのは、天と地を結ぶものとしてはじめてかけられたヤコブのはしごでした。福音という新たな命によって、そのはしごを強く確かなものとしたのはイエスの十字架です。 イエスの十字架は、ヤコブだけではなくすべての人を救い、…

年間第23月曜日(2020.9.7.)「安息日に律法で許されているのは、善を行うことか、悪を行うことか。命を救うことか、滅ぼすことか」

目の前のひとりだけではなく、すべての人の救いを願うイエス様は、右手の萎えた人をいやすのと同時に、自分に反感を持つ律法学者やファリサイ派の人たちを凝り固まった考えから解放しようとされました。神様が私達に対して本当に望んでいるのは、おきてとし…

年間第22月曜日(2020.8.31.) 「はっきり言っておく。預言者は、自分の故郷では歓迎されないものだ」

「私の話を本当に聞きたいと思っていますか? あなたが心から聞きたいと思うなら、 私はあなたのために心から話をするでしょう。 あなたが心から聞くのであれば、 あなたのためになることを何でもすべて 私は心から話をするでしょう。 しかし私があなたの耳…